インプラント 治療が一目瞭然
ここでは新陳代謝が活発に行われ常にコラーゲンを作る一方で、コラーゲンを吸収するということを繰り返しています。
これによって、歯根膜が活性化して歯を守っているわけです。
歯周病菌は、こうした二重三重のガードをかいくぐり活動を開始します。
歯周病の初期には、歯肉が炎症を起こし赤く腫れて出血します。
これは歯肉の下の方にいる歯周病菌と免疫細胞が戦い、歯周病菌が優勢になったときに起こる症状です。
これは第一段階で、歯肉炎といいます(左図②)。
歯肉炎を治療しないまま放置すると、歯を支えているセメント質や歯根膜、歯槽骨などの歯周組織が破壊され、失われ始めます。
歯肉が下がり、歯の根元にも歯石がつき、その中で歯周病菌が活動するので炎症がひどくなります。
最終的には歯根膜などの線維と歯槽骨など歯を支えている組織が溶けてなくなるため歯がぐらぐらして、やがて抜けてしまいます。
これが第二段階の歯周炎で、歯槽から膿が流れ出すので歯槽膿漏とも呼ばれます(前ページ図③)。
これら一連の症状が歯周病ですが、歯肉炎の段階で治療をしておけば、歯周炎に進むことはありません。
デンタルIQの低い団塊の世代最近の小学生は、虫歯が目に見えて減っています。
おそらくお母さんが歯磨きを徹底するようになったのと、学校での歯の健康指導が徹底されてきたのが原因だと思います。
歯の健康を維持できるかどうかを示す、デンタルIQという考え方があります。
デンタルIQはまさに、歯の健康維持に対する知識と実行を測る指標です。
日本人の子供たちに虫歯が減っているのは、デンタルIQが高くなった証拠といえます。
しかし、問題は中高年です。
四〇代の八割が歯周病という数字を見れば、いかに中高年のデンタルIQが低いかがおわかりになるでしょう。
最近、自分の歯を鏡でじっくり見たことがあるでしょうか。
虫歯はないか、歯茎から出血していないか、歯茎の色が赤黒くなっていないか、ぐらぐらしている歯がないか、自分の目でしっかり見て確認することで、年を取ってからの自分の歯の本数が確実に違ってきます。
しかし、大半の中高年は歯を見るということもなく、適当に歯磨きをしてそれで終わりということが多いように思います。
いい加減な歯磨きは歯周病菌の増殖を促し、いつの間にか歯肉炎から歯周炎に進行していたということになりかねません。
デンタルIQを高めるための基本は、まず歯磨きの習慣をつけること。
歯と歯の間はもとより、歯と歯肉の境なども丁寧に磨くことが大切です。
歯周病の初期に歯磨きをすると、歯茎から血が出ることがあります。
これは歯周病菌と免疫細胞が戦っている証拠です。
歯周病菌が活動を始めると、身体ではそれに対抗するために血液が集まり、大量に免疫細胞を集結させるので出血するのです。
歯と歯肉が接している歯肉溝は、健康人では一ミリから二ミリの深さですが、歯周病菌が増えてくると歯肉溝の中にもプラーク(歯垢)が溜まり、溝が次第に深くなってきます。
プラーク二ミリグラムの中には、一〇億個もの細菌がいるといわれていて、これらの毒素が歯肉の表面を壊すので、歯肉溝が次第に深くなり歯周ポケットを形成するようになります。
歯周ポケットは酸素が少ないので歯周病菌にとっては最適の環境です。
歯周病菌はここをベースに一層の大繁殖を始めるわけです。
歯周ポケットの中が感染により炎症を起こすと、免疫細胞は大量に集まり、攻撃をしかけるので出血も激しくなります。
通常ケガをして出血しているときは、消毒後、絆創膏を貼って回復を待ちます。
しかし歯周病による出血に対しては、積極的に対策に乗り出さなければ回復しません。
ポイントは、ブラッシングです。
出血をしている歯肉や歯を一本一本丁寧にブラッシングすることで、そこに巣食っている細菌を掻き出すことが肝心です。
出血部分にブラシをかけると傷がつくこともありますが、多少の傷はものともせず磨き残しのないようにブラッシングすることが歯周病菌を排除することになります。
これしか、炎症を抑え、最終的に出血を止める手段はないのです。
痛いからといっていい加減にブラッシングすると、結局歯周病菌の猛威を食い止めることができず、病気を進行させてしまう結果になります。
こうならないためにも、日頃から鏡で自分の歯を見ていただきたいのです。
歯周病になって歯を失うことにならないように、歯のチェックと歯磨きを忘れない。
これこそ、デンタルIQの高い人の正しいケアです。
歯周病の基本的なケア歯肉が健康であるか健康でないかを評価するために、歯と歯肉の隙間を測る、プロービングという検査法があります。
先端が細くなっているプローブという専用の器具を歯周ポケットの中に挿入し、ポケットの深さを測定します。
また、この時出血の有無やその範囲も診断します。
これを診療現場ではBOP(ブリーディング・オン・プロービング)といいます。
この検査の結果、ポケットの深さが五ミリ未満で、少量の出血が認められた場合はまだ歯周病の初期段階なので、適切なブラッシングを続けることで治療が可能です。
ポケットが五ミリ以上の場合は、何らかの外科的処置が必要になります。
かなり深い場合は、専用の機器で歯肉を洗浄したり、歯肉を一部切り取るなどの外科手術を実施して、歯周ポケットの深さを五ミリ未満にして歯周病菌を排除しなければなりません。
放置すると症状がますます悪化し歯肉が下がり、歯根が露出して、ますますポケットが深くなっていきます。
周囲にも広がる可能性があるので、早めの対処が求められます。
すでに歯周ポケットが一〇ミリもある場合は通常のブラッシングが届かないので、歯肉を六ミリ切除して歯肉の長さを四ミリ程度に縮める外科手術を行います。
これは歯肉を切ることで、歯周ポケットを浅くして清掃しやすくするための治療です。
前歯の場合は、歯肉を切ると歯と歯の間にブラックトライアングルという隙間ができ、見た目が悪くなるので深いままに置いておき、歯科医による専門のメンテナンスで感染を予防することもあります。
歯周病菌は、主に歯頚部周囲の根面についているので、特に丁寧に歯根を清掃します。
通常、歯周病菌は歯槽骨そのものには感染しません。
歯の一番下の部分のセメント質と歯周組織の間に一ミリの結合組織があり、歯槽骨に入る細菌を阻止する役割を果たしているので、骨には直接感染しないようになっています。
重症の歯周病患者に対して、専用のスケーラーという器具で歯根の表面をスケーリング(歯垢や歯石を掻き取ること)すると、暗赤色のどろどろした血液が大量に出ます。
炎症によって血液の循環が低下したために、血液成分の一部が外に澄み出して、周囲の毛細血管に流れ込んで充血します。
さらに、歯周病菌の毒が血管の細胞を傷つけ透過性が高まるので、染み出した血液成分なども血管の壁の間を通りやすくなります。
これにより大量の血液が炎症部分に滞留し、そこから細菌を掻き出すので大量に出血するわけです。
これらの治療によって細菌を完全に除去することができれば、歯茎は引き締まり健康を取り戻します。
しかし、すでに破壊されてしまった歯槽骨の大部分は元には戻りません。
歯槽骨が溶けてしまっていたら、歯は当然抜けてしまいます。
歯周病が治っても、組織が元に戻ることはないということを忘れてはいけないのです。
歯周病は心臓病を誘発する歯周病で歯が抜けたとしても、命まで取られることはないと思っている人もいらっしゃるでしょうが、これは大きな考え違いです。
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